placet experiri :: 17

メフィストフェレス

想像された発話、自分劇場──先の見えない思索の道中、口さがない「学者」どもが夢枕に立つ。「それは結構なことです、あなたは自分の頭で哲学をしていらっしゃる。ですが(偉大な思想家の名前)は……」

いや、そこにいるのは自分だ。予防線を張って、あれこれ当たり障りのないエクスキューズをしているのは。「彼の思想の研究としてはどうなのか自信がないのですが、僕が昔から考えてきたことで……」その返答にまた学者どもが繰り言をのたまい、ついに自分の逆鱗に触れる。「あのですね、貴方はこの、(検閲削除)!!!」

違う、それは一人遊びだ、こいつらは指人形だ。そうやっていつも自分で激昂しては、あらかじめ萎縮しているのだ。やめろ、この指人形ども、消え失せろ! 俺の一存で、一人残らず握り潰してやる!


吐き気の発作に倒れ伏した自分の前に、別の悪魔が現れる。そいつは自分の道のはるか向こうにしゃがみ込んで、こちらを見下ろしている。「そんな侏儒どもと言い争っているお前は、確かに何か創造する者かもしれないお前は、そんなつまらないことに気を取られる凡人だったのか。結局お前はそんな言い訳を盾に研鑽を怠っているのだ」

さあ、誰にも理解されない研鑽を怠ったかどで、誰か自分を心の底から嘲笑してくれ!──「まだそんな所にいたのか、お前以外は話にならないが、お前も全然大したことはないな!」


響き渡る哄笑を残して、そいつは姿を消した。気づくともう吐き気は治まっていた。最初の奴は正体を暴いた後もしつこく何度もやって来たのに、あのからかい好きの悪魔はいつも一度だけしか来ない。

いや、それは自分だ。意地悪な笑みを浮かべながら、小虫だらけの庭石をひっくり返していたのは。さあ、立ち上がって進もう、道のないほうへと。どこまでも遠く、魔法が解けてしまうまで。